料理のレシピといったらクックパッド。それくらい有名になったサイトが、とある事件で閉鎖の危機に陥っています。その事件がこちら。
東京都は4月7日、足立区内の生後6カ月の男児が3月30日、蜂蜜に含まれていたボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡したと発表した。
都によると、統計で確認できた1986年以降、乳児ボツリヌス症での死亡例は全国で初めてとのこと。
(中略)
家族は発症の約1カ月前から、離乳食として蜂蜜を混ぜたジュースを一日2回ほど飲ませていた。蜂蜜は乳児ボツリヌス症の原因になる可能性があり、容器のラベルなどで1歳未満の乳児に摂取させないよう注意されていた食品だが、家族は「知らなかった」と話しているという。
(中略)
「クックパッド」に非難の声が上がるこの報道をうけ、料理レシピサイト「クックパッド」に非難の声が上がった。
「離乳食 蜂蜜」とGoogleで検索をすると、クックパッドが上位にあがる。サイト内で「離乳食 蜂蜜」のキーワードで検索すると、ヒットするレシピは147件(2017年4月8日時点)。
(中略)
レシピ投稿者は「長女は離乳食を全く食べませんでしたが、この蒸しパンだけは食べました」とコメントしていた。
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170408-00010001-bfj-sci
この記事だけでは、クックパッドのレシピを使用していたかどうかは不明です。いわゆる「とばっちりを受けた」状態ではありますが「離乳食 蜂蜜」で検索すると、100件以上のレシピが表示されるという状況は、ネットの情報を無条件で信じてしまう人が一定数存在することを考えるとやはり問題がありそうです。
TwitterなどのSNSで大きな話題となっています。
レシピを信じて乳児に与えたお母さんには同情を禁じ得ないです。ネットでも様々な意見が交わされています。
タイムラインをボツリヌス菌で死亡した赤ちゃんが駆け回ってるが「0歳児に蜂蜜喰わすな」はそんなに知られてないことなの?あれは絶対だぞ。身の回りで加熱しても毒性の死なない代表食品が、蜂蜜のボツリヌス菌と味付き小麦粉のダニだからな。
— PICTOMANCER (@pictomancer) 2017年4月7日
蜂蜜で赤ちゃん死んだやつ確かに知らなかったのはいけなかったかもしれないけど赤ちゃん亡くした母親を相手に自己責任とか説明書見ずに機械壊す奴みたいに馬鹿にしてる方が怖いなぁ…
母親は今誰よりも後悔してるだろうに当たり前とか常識っていう武器で平気で死体蹴りする人多いね…— 独り言 (@amgpj) 2017年4月8日
赤ちゃんに蜂蜜あげて死亡の件で「教養がない」「なんで知らなかったの」とかの意見見かけたけてため息。教養に溢れて全知全能の方にはわからんかもしれないが、大抵の人は知る機会がなければ知ることができないもんなんだよ。完璧超人羨ましいな。
— ふねひこ にぼし (@niboc) 2017年4月7日
クックパッドの株価が暴落中
該当の離乳食がクックパッドに掲載されているレシピとの関連性は明確になっていません。しかし、この事件と不適切なレシピの掲載が話題になり始めた4月9日頃から株式市場は反応しクックパッド社の株価は下がり続けています。
この事件が直接の原因と判断する材料は見つかっていませんが、株価が下がっていることは事実。世論というものは怖いですね。
クックパッドが公式に声明を発表
離乳食に蜂蜜を使用したレシピが多数掲載されていることで、話題になっているクックパッドが公式発表を行いました。
はちみつの摂取が原因と推定される“乳児ボツリヌス症”につきまして
先日、生後6か月の男児が、はちみつの摂取が原因と推定される“乳児ボツリヌス症”で亡くなるという大変悲しい出来事が報じられました。
(中略)
今回の出来事は、市販のジュースにはちみつを混ぜたものを飲んでいたと報じられております。 クックパッドはこのような大変悲しい出来事に接し、サイト内に投稿された料理レシピについて再度確認の上、必要に応じた注意喚起を更に実施して参るとともに、皆様の「毎日の料理を楽しみにする」ために、食の安全に関する発信をさらに強化し、皆様の知見の向上を一層サポートさせていただく所存です。
(後略)
出典:https://cookpad.com/helps/group/203
「市販のジュースにはちみつを混ぜて与えていた」という点をさり気なくアピールし、投稿されたレシピについては、再度確認するとのこと。
今回の事件を受け、別のレシピも批判されており「豚肉のユッケ」や「タルタルステーキ」など健康被害の発生が予想されるレシピについては、実際に削除されています。
クックパッドのレシピは玉石混交
今や巨大サイトとなったクックパッドですが、料理に詳しい人が見ると「ん?」と首をかしげるようなレシピもたくさん。今回の事件のように「知っている人からすれば当然のこと」という部分も多いです。
もちろん日々の献立づくりに役立つレシピもたくさん掲載されていますが、ネットに転がっている様々な情報と同様に、受け取り側がその情報の成否を取捨選択することが大切なんですね。
カレー☆ハンターから一言
カレーを食べて情報リテラシーを高めるべし!